| PAGESELECT |

≫ EDIT

2004 1-3

ミスティックリバー
~MYSTIC RIVER~


正直言って、評論家やおすぎのコメントにまんまとのせられて観に行った映画である。観に来ているお客さんのほとんどはそんな感じだったと思う。俺も含めてこの映画に何を求めていたか?それは“感動”という二文字に他ならない。だけど、最初から最後まで感動という言葉もなく見れば見るほどに、時間が進むにつれて嫌悪感を抱いてしまうほどの作品だった。映画を観に行くとラストシーンが終わってエンドロールが流れるとバタバタと帰り始めるお客さんが結構いるんだけど、この映画に関してはエンドロールになっても立ち去る人が一人もいないの。それだけ終わったあとの空気の重さと言ったらなかった。俺はそんな空気に耐えきれず一番最初に席を立ってしまったんだけど、メジャーではなかなかお目にかかれないほど暗くて、よどんだ映画でした。もうほんと、胸が苦しいというか観ていて、「これって最悪の結末になるんじゃ?」って言う嫌な予感というか、そんなものが映画の中盤以降から流れ初めて結局残るのは救いようのない結末でした。一緒にいた相方さん曰く『ダンサーインザダーク』以来の観なきゃ良かった映画だそうである。俺はこの映画でデイブ役のティム・ロビンスが監督をして同じくジミー役のショーンペンが主役だった『デッドマンウォーキング』以来の胸がいっぱいになった(良い意味ではない)映画である。

 もうすこしだけ内容にふれるとサスペンスの部分は最初の伏線に気づいてしまえばあとはまるわかりってなくらい単純なものである。でも、それがわかったからといってもアッとも言わないし、そこの部分はさいごおざなりにされてしまっているのである。それよりもこの映画の題材の重さと内容の重さがサスペンスという部分をまったくと言っていいほど消し去っていたような気はする。ただこの映画のタイトルこそ最大の伏線で、その意味が観客にちゃんと伝わったと言うことを考えればクリント・イーストウッドは大したもんである。

 映画の感想は書いたとおりで、とうてい俺には受け入れがたい内容だったけど、この映画にでている俳優はそりゃもう見事なまでの演技、というか3人の役者のバトルがもの凄い緊張感を生んでます。そう言うのもあってこの映画のよどみが倍増されてるんだけど…。それにしてもショーン・ペンはデ・ニーロに匹敵するくらいの役者じゃないだろうか?この人の演技はもはや巧いと言うより怖いと言った方が良いくらい。はじめの頃の娘の死体遺棄の現場ジミーが現れるシーンで、刑事役のケビン・ベーコンと対峙する所があるんだけど、俺的にはここが一番の見所だった。娘の死を知った悪党の父親とその友人である刑事の何とも言えない表情を二人は見事なまでに見せ合ってました。俺もよくわからないんだけど、こんな映画なのにこのシーンで思わず泣いてしまったのである。そう言う俺が未だもって不思議なんだけど…。怖い演技のショーンに対して、やっぱりその巧さがピカイチなのがティム・ロビンス。自身におこった過去の悲劇をずっと引きずっている男をいとも簡単にサラッと演じてましたよ。そんな二人の正反対の芝居を中和していたのがケビンって感じかな。

 最後にこの映画を一番不快にしたのが女優陣の演技である。もう、みんな巧すぎである。本当に嫌になるくらい…。こんな内容の映画じゃなかったらって思ってしまいました。最高の演技をしたキャストの映画でも俺は二度とこんな映画は観たくないです。これを書いていてもやっぱり気分が重たくなる俺である。

 来週は気分転換に『シービスケット』をみなきゃね。
4/1/17

シービスケット
~SEABISCUIT~


もう、ずいぶん前になるけど日本映画で『優駿』と言うのを観た。この映画は日本のサラブレット、ことダービーというレースにかかわる人間模様を描いた作品だったんだけど、観ていてなんだか思い出してしまったね。ついでに言うと俺が競馬好きだって言うこともあらためて実感。監督は『カラーオブハート』のゲイリー・ロス。監督としては2作目だけど、今回もはずすことなくグッと来る映画でした。脚本も監督がやってるんだけどとにかく上手いよね。ま、知る人ぞ知る『ビッグ』や『デーブ』の脚本を書いた本人なのである。とにかく映画自体がよどんでいなくて綺麗だし、映画というのは本来はこうあるべきではないだろうか?いくら俳優が最高の演技をしても『ミスティックリバー』のように救いようのないものはお金は払いたくない。

 とはいうもののこの映画も最高とは言い難い。ストーリー上仕方が無いのかもしれないけど、3人の男たちが出会うまでがやたらとちんたらしてるので、ちょっとしんどかったし、なんと言ってもレッド(トビー・マグワイヤ)の家族についてのエピソードが最初のシーンにでてきたっきりで物足りない。クリス・クーパーの説明については皆無に等しく、無理矢理偶然というエピソードで巡り合わせた感じがちょっとマイナス点である。だけど、迫力のあるレースシーンや人間の喜怒哀楽の描き方については、心躍るモノがあるしやっぱり感動しましたよ。感動と言っても涙をポロポロ流すっていうのではなく、心にじんわりくるって感じである。

 主役3人の俳優に混ざっていい味を出していたのがウィリアム・H・メイシーである。『カラーオブハート』や『マグノリア』でも独特な雰囲気で、妙な存在感を出していたんだけど、今回もかなりイイ感じである。この役者さん本当にどんな役でもできるんだねぇ。脇役の鏡とでも言うか、いかにもベテランって感じで、この役者のことを益々好きになった俺である。
  あと、レッドの親友役のゲイリー・スティヴンスも元本物の騎手でありながらとってもイイ感じ。競馬のシーンはさすがのトビーよりも良かったな、ってあたりまえか(笑)。

 ま、この映画でオスカーって言うのは難しいと思う。作品、監督はもちろん俳優部門も。でも、賞は獲れないけど賞を獲った駄作よりは心に残るし人にも薦めたい映画である。この監督にはもっと良い映画を沢山撮って欲しいものである。

 それにしても今年は夏まで観たい映画が目白押し。小物から超大作まで。楽しみのつきないモノである。さて、次は『ロードオブザリング/王の帰還』である。
04/1/24

ロードオブザリング/王の帰還
THE LORD OF THE RINGS
The Return of the King


公開は来週なんだけど、もう我慢が出来なくて今日の先行ロードショーを会社の子を誘って観てまいりました。先行と言っても優待券で観れたのでいつもと同じ1000円。これまでに『旅の仲間/SEE版』『二つの塔/SEE版』をしっかりとみて予習もばっちり。いよいよ最終章の鑑賞である。あ、本文に入る前に書いておきますけど、二つのSEE版を持っている人はしっかりとみておくことをオススメします。本編のみならず、コメンタリーの全バージョンから特典映像DVDにいたるまで、至る所に今回のヒントが隠されています。そんなわけで、この映画は1本1本としての映画と言うより、3部作で1本の映画であることは間違いないです。

 それにしてもSEE版をみているとこのシリーズって本当にすごいんだなってあらためて思ってしまう。そして、何万人って関わったスタッフたちの努力を聞いていると、この作品に本当にアカデミー賞をあげたいね。というよりあげなきゃアカデミー賞って何?って感じになってしまうもの。あの俺にとっての超駄作『タイタニック』にさえあげたんだからね。『二つの塔』の時にも書いたんだけど、この映画は後世に残る名作であると確信した。とはいうもののこういった内容を受け入れられない人も当然いるんだろうけどね。少なくとも俺自身みたここ数年の映画では間違いなくナンバーワンである。総時間10時間以上にもおよぶものを3回に分けて公開しただけの映画である。

 『二つの塔』ではガンダルフとバルログの戦いから始まって「やられたー」って感じだったんだけど、今回も意外なシーンからの始まりでした。正直言って『二つの塔SEE版』を見てたのでなんなく物語に入っていけたけど、ひょっとしたらこのシーンは追加撮影だったのかも?と言うのもネタをばらすとゴラムの生い立ちなんだけど、いかにスメアゴルがゴラムに変わっていったのかを説明してます。サブキャラの中でもほぼメインキャストに近いゴラム。今回は前作以上に悪として書かれていて、前作でちょっとでも「良いヤツ?」なんて思ったのがばからしくなるくらいである。ま、そこまでこのゴラムに感情移入できるのもSEE版をみているせいであるんだけどね。もうこうなると是が非でもSEE版を見てもらいたいんだけど、ようはこのゴラムは単なるCGの産物ではなく、人間として(もしくはホビット)の動きなのである。

 このシリーズの上映時間は本当に長いです。特に『王の帰還』は3時間23分と最長です。そのせいか山場は幾度となく訪れ、その度に体が震えてしまいました。中盤にある狼煙が上がっていくシーンではRPGの醍醐味というか、ボスキャラの前のクライマックスと言った感じだし(ゲームをやらない人にはわからないかな?)、それぞれのキャラに見せ場がやってきてどこを切っても感情移入できてしまうのだ。なんと言っても3作通じていつも胸をじーんとさせてくれたのがサム役のショーン・アスティン。今回もかなりイイとこどりで、アカデミーの助演男優をあげたいくらい(ノミネートされてないけど)。で、さすがにこの映画は3部作ではクライマックス部分だけあって4回ほど泣いてしまいましたよ。隣に座っていた会社の子にばれないようにするのが大変でした(笑)。

 映像はというと、そりゃぁもう何も言いません。たぶんこのスペクタクルではこの映画に勝るモノはしばらく出てこないだろうね。圧倒的な合戦のシーンはもちろんのこと、オリファント(象みたいな生き物)の大群とかナズグルと巨大鷲の戦いとか海外なら拍手モノのシーンがいっぱいである。それにこのシリーズの秀逸なのは城や街を本当に作ったこと。もちろんCGとの合成も多用されてはいるけど、違和感なくその世界がつくられているのも感動モノである。あーもう、これだけ書いてもまだまだ書き足りないくらい。たぶん、ピンからキリまで書くことは出来るんだけど、そんなことよりこのシリーズを見ている人にはいち早く見てもらって、俺が言わんとしてることをわかって欲しいです(笑)。とここまで書いておきながら満点でないのも事実。明らかにSEE版への謎として残したであろうエピソードもちらほらと…。そんなわけで、来週の公開時にまた観に行く予定です。

 最後になるけど、とうとうこのシリーズ終わっちゃったんだね…。3作通じてどれ一つとしてがっかりしなかったのは、作り手が妥協しなかったからなんだろうね。しばらくはこんな映画に出会えないかもね。でも、この映画の本当の最後は10ヶ月後までおあずけである。それから、原作についても一言。俺はまったく見てないけど、あの『ターミネーター』さえこの物語がどこかにあったのかもしれないです。『ロードオブザリング』という物語はすべてのファンタジーの基礎なのかも…。

ラブアクチュアリー
Love Actually


『ロードオブザリング/王の帰還』を見終わったあと、少しの休憩のあと連ちゃんで鑑賞。かたや3時間23分、そしてこの映画が2時間15分。両方合わせると6時間弱。2本見て3本分の映画を見た感じで、かなり疲れたけどどちらも良い映画だったんで大満足である。それにしても……である。

 本題の前に一言いうとなぜこの時期に公開するのか?誰がどう見たってクリスマス映画である。ま、クリスマスもバレンタインもその意味をまったくしらない日本人にとってはどうでもいいってことか?でもね、どんな大人の事情があったのかしらないけど明らかに公開時期が間違っている。確か試写会が去年の12月にあったはず。これは昨年の『Catch me if you can』同様シーズンモノはそのシーズンにリアルタイムで見たいのである。あ、それからこの映画決してオムニバス映画ではないです。どうも、あのCMをみているとそんな感じがして…。ちゃんとした1本の映画です。

 内容はどこにでもあるような話しであり、どこにでもない話しだとと俺は思います。すごく軽めのタッチで物語が進んでいくので単なるラブコメディとして見ることも出来るんだけど、そこは『ノッティングヒルの恋人』の脚本家が撮った映画。そこかしこと問題、もしくは障害の抱えた人たちが出てきます。そう言ったシーンを入れることによって単なるラブコメの映画になっていないのがすばらしいです。三角関係、義理の息子、精神病の弟…など。もちろん、これ以外にはごく普通の生活も描かれています。でも、そのひとつひとつがこのタイトルの通り『Love Actually』なのである。

 メインキャストが11人も出てくると誰が主役なのか?ってな感じなんだけど、この映画に出てくる全員が主役なのである。一番の感動はコリン・ファース扮する小説家がポルトガルに行って求婚するシーン。ここは、言葉もすばらしいけど、そこまで持っていくテンポが『ノッティングヒル~』を思い出させてくれます。もちろん手放しで褒め称えることが出来る映画ではないけど、最後にきっとキモチのイイ感動が待っている映画なのである。『ミスティックリバー』で超イヤな女の役をやっていたローラ・リニーにしても、トカゲヘッドことアラン・リックマンにしても、シンドラーのリーアム・ニーソンにしてもみんなさりげなく巧いです。特にちょっと疲れた主婦を演じていたエマ・トンプソンは見事復活である。

 最初と最後に空港のシーンがあるんだけど、この最後の空港のシーンを見ていると監督が言いたかったことが何となくわかるようなきがする。近頃はテレビやニュースを見ても暗いことばかりで、明るいコトなんて本当に少ないけれど「空港ほど愛が溢れているところはないんだよ」とね。
  余談になるんだけど、この映画アメリカではまったくヒットしなかったらしいです。ま、内容をみると一目瞭然で、アメリカ大統領をはじめアメリカ人(特に女)をコケにしまくってます。そりゃ、見たら怒るだろうけど俺は大好きです。それがどんなモノなのかは見てのお楽しみと言うことで(笑)。
04/2/7
スポンサーサイト

| Movie | 16:49 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

| PAGESELECT |