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CRIMSON+CRUISE

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80年代前半の松田聖子の冬アルバム(『風立ちぬ』『Candy』『Canary』『Windy Shadow』)は神がかっていたと言っても過言ではないほどの出来映え。そして、松田聖子が一線を退いたあとの中森明菜の充実度はそれに勝るとも劣らない、いや歌謡界において彼女を超える存在など無に等しかったのである。それにしてもこの二人どこまでも対蹠的である。松田聖子の貫き通す姿勢と中森明菜の変わり行く姿勢。やはりどちらもすごいことだなと思うのだ。そこで、今回は中森明菜の冬アルバムについて少し語りたいと思う。

冬のリゾート気分を存分に味わわせてつつ、冷たい風さえも暖かく感じさせてくれるのが松田聖子なら、冬の冷たい風が吹き抜ける都会の風景をクールに堪能させてくれるのが中森明菜である。それは冷ややかでありながら、時には凍ったまなざしさえも溶かすほどの情熱を降り注ぐこともあった。

そんな中森明菜の冬アルバムと言えば『CRIMSON』だと言うことは誰もが認めることであろう。これについて全く異論はない。それは発売から20年以上経った今でもやはり“まとも”に聴けるからである。当時は限りなくピアニッシモで歌っていたこのアルバムについて反論もあったが、その危なっかしいまでの歌い方すら今ではすばらしく感じるのだから。おそらく二十歳(はたち)そこそこの女の子が、これだけの表現力を持って頂点に立てること自体、今の歌手ではあり得ないだろう。そして私がもう一枚、冬アルバムとしてもっとも聴いているのが『CURUISE』である。このアルバム、発売こそ夏ではあったがコンセプトは前出の『CRIMSON』を引き継いでいるのは言うまでもない。違いは、と言うとその歌唱力と表現力がここで絶頂期を迎えていたと言うことだろうか。

そこで私はこの2枚のアルバムからお気に入りの曲だけをピックアップして再構築してみた。それが次の曲順なのだが、他のファンの方で「そうじゃないよ」というのはここでは勘弁していただきたい。それからもう一つ、再構築するに当たって、2枚のアルバム以外からも数曲を選んでいることも。

満月-SHAKERより
MIND GAME-CRIMSONより
URAGIRI-CRUISEより
駅-UtahimeDDより
赤い不思議-CRUISEより
約束-CRIMSONより
Oh No, Oh Yes! -CRIMSONより
Fin-BEST2より
エキゾティカ-CRIMSONより
Norma Jean-UNBALANCE+BALANCEより
Standing in Blue -CRUISEより
ミックジャガーに微笑みを-CRIMSONより
SINGER -CRUISEより

と、ここまで並び替えを終えて流して聴いてみると正直驚いた。これだけ寄せ集めにしたにもかかわらず、そのコンセプトが全くぶれがないのである。この曲だけで1枚のアルバムと言っても良いほどである。更に言うと、すべての曲をほぼ同じキーで歌っているため全く違和感がないのである。これはもう奇跡に近いことである。これを読んでいるファンの方で、PC等で並べ替え、編集が簡単に出来るのであれば一度試してもらいたい。きっと私と同じ感動を憶えるはずである。そもそも、中森明菜という歌手は統一された音域でアルバムを作っていたのだから当然と言えば当然なのだが、それにしてもである。

今年は『DIVA』でその実力を見せつけた彼女、できることなら、今度は都会、夜、クールと言ったコンセプトの新作を聴いてみたいと思うのは私だけはないはずである。
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| Play & Music & Books | 20:46 | コメント(-) | トラックバック(-) | TOP↑

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